50歳男性 無職 頭がズキズキと痛む。

テレビを見て、普通に泣いたり笑ったり出来れば十分、

鬱ではありませんよ。

 

大学病院の精神科医をしている娘の彼氏には、

そう言われました。

 

でも、周囲から見ると、私は完全な抑鬱状態らしく、

それで会社を辞めざるを得なくなってしまった位です。

 

ですから、正直、娘の彼氏という別の嫉妬のようなものも手伝って、

おまえみたいな研修医に何が分かるんだっと言いたくもなります。

 

が、しかし、同じ病院で看護師として働く娘に言わせると、

彼にそういう感情を抱ける事自体、心が正常に働いているという事になり、

鬱状態とは言えないのだそうですね。

 

本当のうつ病というのは、泣いたり笑ったり怒ったりという

感情を適材適所で使い分けられない、ようするに、

自分で自分の心をコントロール出来ないものなのだそうです。

 

だとしたら、

私のこの異常なまでの倦怠感と激しい頭痛は一体全体なんなんだろうか。

 

妻と娘と、一応その彼氏らしき研修医にも勧められ、

娘が務める病院で検査も受けました。

 

まず人間ドックに入って心臓を徹底的に診てもらった後、

脳ドックにも入って、全ての検査を受けました。

でも、結果はやや中性脂肪が多いものの、これと言った病気はないとの事。

 

医者はやはり極度の疲労蓄積か精神的な要員が大きいのではないかと言いました。

 

偶然何十年ぶりかに再会した小学校の同級生から整体治療を教えられたのは、

ちょうどそんな時でした。

 

彼は大学を卒業してすぐに地元の大手商社に入り、今や立派な重役クラスです。

ただ、やはりああいう仕事はストレスがすぐに貯まるらしく、

週に一度、リフレッシュのために整体を受けているとの事。

 

浮かない顔をしていた私に、もしよかったら、

今度自分と一緒に行ってみないかと誘ってくれました。

 

彼はいつも週末の午後に通っているらしく、その日もその帰りでした。

 

正直、整体なんかで抑うつ状態がよくなるのかと疑っていましたが、

取り敢えず今は何もする事がなくて暇なので、一緒に行ってみる事にしました。

 

昔その近くの会社に勤めていたのですが、ビルの中に入っているという事で、

こんなところに有名な整体院があったとは、全く知りませんでした。

 

馴れた足取りでつかつかと入っていく友人の後ろから、

私は恐る恐る受け付けに入りました。

 

何を隠そう、50歳にして人生初めての整体体験だったのであります。

 

整体という治療は、

自分が想像していた按摩のようなものとは随分違うという事を、

その日初めて知りました。

 

無理に何かをされているとか、さされているとかという感覚は全くな、

おお、これは中々気持ちのいいものだなぁっと思いました。

 

正直、これで鬱が良くなるかどうかは分からないが、そんな事とは関係なく、

この先生のこの整体そのものをまた受けたいと思ったのです。

 

帰りに久しぶりに友人と一杯やりに行き、そこでも言われました。

私は多分まだうつ病までは行ってなくて、

とにかく異常に疲れているだけじゃないかと。

 

ストレスというと、心に来るものと思いがちですが、

ストレスというのは筋肉にもドシッと来るらしく、

それが原因で頭が痛かったり、気分が悪かったりするんじゃないか。

 

と、まるで娘や娘の彼氏のように、偉そうな事をその友人は言ってくれました。

 

でも、彼のそういう気持ちが有り難かったし、

もう少しこの整体を続けて様子を見てみようと今は思っています。

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